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文化財 / 火災

宮島「消えずの火」の建物が燃えた— 霊火堂全焼について、ひとこと言わせてほしい —

2026.05.21 | 読了目安 5分

5月20日、広島・宮島の弥山山頂付近にある「不消霊火堂」が全焼した。空海ゆかりの「消えずの火」を何百年も守り続けてきた建物が、よりによって火事で焼けた。笑っていいのかどうかも判断がつかないまま、とりあえず書く。

まず起きたことを整理する

■ 宮島・不消霊火堂 火災 概要
発生 2026年5月20日 午前8時30分ごろ
場所 広島県廿日市市 弥山山頂付近「不消霊火堂」(真言宗大聖院)
通報者 寺院関係者
鎮圧 午前10時35分ごろ
出動 ヘリ1機、消防車4台、消防団車両4台
被害 霊火堂・全焼。近くの立木へ延焼あり
けが人 なし
「消えずの火」 関係者が持ち出し、無事

「消えずの火」を守る建物が、火事で焼けた

「不消霊火堂(きえずのれいかどう)」とは、弘法大師・空海が弥山で修行した際に焚き続けた護摩の火を、千年以上絶やさずに守り続けてきたとされる施設だ。宮島のなかでも特に霊的な重みを持つ場所で、世界遺産エリアの象徴のひとつでもある。

「消えずの火」を守るための建物が、火事で全焼した。

フィクションだったら編集者に「設定に無理がある」と突き返されるレベルの話だが、現実はときどきそういう無神経な展開を平気でやってくる。誰かの悪いジョークではない。

文化財として千年超の歴史を持つ建物が一夜にして失われたことは、純粋に痛い。宮島の、広島の、日本の損失だ。笑い話にしていいかどうか、正直なところギリギリのラインだと思っている。

ただし「火」は生きていた

ひとつだけ救いがある。「消えずの火」の本体は、寺院関係者が事前に持ち出して無事だったという。

霊火堂は全焼したが、「消えずの火」は残る。— 中国新聞デジタル・続報より

建物が燃えても、火は消えなかった。ある意味「消えずの火」という名前に偽りはなかった、とも言える。だからこそ余計にもどかしい——建物だけがなくなったという事実が、じわじわと重くのしかかってくる。

余計な一言:「建物は全焼したけど火は無事でした」というのは、ロジックとしては正しいし、そこに救いがあるのも確かだ。ただ、霊火堂の存在意義は「その火を守ること」だったはずなので、「守った」と言い切れるのかどうか、少し複雑な気持ちになる。

そもそも今月の宮島、どうなっているのか

実はこれ、今月の宮島における火災絡みの騒動として2件目だ。

5月14日——ちょうど1週間前——にも「山の中腹から火が見える」という通報があり、室浜山の山頂付近でヘリが煙を確認、消火活動にあたっていた。当時は雷雨で「落雷があって煙があがった」という情報もあったという。

5月の宮島・火災まとめ
5月14日 ── 落雷疑いで室浜山から煙、ヘリ出動
5月20日 ── 不消霊火堂が全焼、ヘリ+消防車計8台出動

2週間で2回。世界遺産の島にしては、少々落ち着きがなさすぎる。

宮島といえば厳島神社・鹿・もみじまんじゅう・海上の鳥居、という穏やかなイメージが定着している。そこに「今月2度の火災」というニュースが重なっていく感覚は、観光や文化財保護に関わる人たちにとって、相当しんどいはずだ。

まとめ

今回の件、要点

  • 「消えずの火」を守る霊火堂が全焼。宇宙的な皮肉だが、現実として起きた
  • 「消えずの火」の本体は持ち出し済みで無事。建物だけが失われた
  • けが人なし。これだけは素直によかったと言える
  • 今月の宮島、同様の騒動が2件。世界遺産として、早急な原因究明と対策を
  • 霊火堂の再建には時間がかかるだろうが、火が消えていない以上、魂は続いている

文化財の喪失に言葉を選びすぎるのも違うと思って書いてきたが、最後は真面目に締める。霊火堂の再建と、「消えずの火」が次の場所でも変わらず灯り続けることを願っている。

それにしても——「消えずの火の建物が燃えた」という事実は、どんな言葉で修飾しても、しばらくは頭から離れそうにない。

情報は 2026年5月20〜21日 時点のものです。

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