【雨が消せない火】―「安心」と思ったその日が、最も危険だった―

外はしとしとと雨。
湿った空気に包まれると、人はなぜか安心してしまいます。
「今日は火事なんて起きない」――そう思い込んでいませんか?
しかし、消防庁の統計では、**“雨の日でも火災は起きている”**のです。
むしろ、油断が重なった「雨の日の火災」こそ、最も恐ろしい瞬間なのです。

■ 雨の日に潜む“盲点”とは?
雨天時は、窓を閉め切り、空調や暖房機器がフル稼働します。
その結果、
・電気配線やコンセント周りの過熱
・延長コードへの過負荷
・湿気による漏電火災
が発生しやすくなります。
さらに、社員が傘を持って出入りすることで、
出入口や避難経路が傘で塞がれるケースも少なくありません。
「非常口の前に傘立てがある」――それだけで避難が数十秒遅れ、命を落とすことがあります。
■ 実際にあった“雨の日の悲劇”
あるオフィスビルでは、雨の日に地下の電気室から火災が発生。
原因は雨水の侵入による漏電でした。
ビル全体の電源が落ち、非常灯も点かず、真っ暗な中で社員たちは避難に混乱しました。
「雨の日だから大丈夫」――その油断が、
ほんの数分で“命を奪う煙”に変わったのです。
■ 防火管理者が「雨の日」に確認すべきポイント
-
電気設備・配線周りの湿気対策
⇒ 漏電ブレーカーの作動確認、配線の水濡れ防止を徹底。 -
避難経路・非常口の確保
⇒ 傘立て・荷物の仮置き禁止。 -
暖房・乾燥機器の安全管理
⇒ 雨で冷え込む日に起きやすい「過熱火災」への注意。 -
従業員への声かけ
⇒ 「雨でも火事は起きる」――意識の共有が命を守ります。
■ 経営者に問います
雨の日、あなたの会社の防火意識は“休んでいませんか?”
火は、天気を選びません。
そして、「安心している日」こそ、最も危険な日です。
防火管理とは、「晴れの日の点検」ではなく、
“どんな天気でも命を守る準備”を続けること。
【まとめ】
雨は火を消してはくれません。
それどころか、**油断という“見えない火種”**を育てます。
今日、外が雨なら――
ぜひ一度、職場の電気周りと避難経路を見直してください。
その一歩が、社員全員の未来を守ることにつながります。
「湿気があっても火は消えない」雨の日でも室内は乾燥していることが多く、布や紙類は十分に燃えやすい状態です。