【雨音に紛れた“火の気配”】――油断が命取りになる、雨の日の防火管理

「雨の日は火事が起きない」
そう信じていませんか?

実はこの油断こそが、最も危険です。
雨が降る日は、人も設備も“緩む”。
その一瞬の隙を、火は見逃しません。

■ 雨の日に潜む「見えない火災リスク」

雨が降ると、社員の出入りが減り、窓も閉め切り。
しかし、そんな“密閉状態”が思わぬ火災拡大の要因になることがあります。

  • 湿気による電気系統のショート

  • 暖房器具や乾燥機の誤作動

  • タバコの火の不始末(屋内避難所・喫煙室の利用増)

  • 厨房・給湯室の蒸気と油分の結露蓄積

  • 避難経路の傘やレインコートによる塞ぎ込み

雨の日は、“燃えにくい”どころか、“燃えやすく逃げにくい”日でもあるのです。

■ 防火管理者の「雨の日チェックリスト」

――現場で即実践できる、雨天時限定の安全確認項目

🔌【電気・機械系統】

  • 配電盤・延長コードに湿気・水滴がないか

  • コンセントまわりの防水カバーは装着されているか

  • 湿気で反応が鈍る火災報知器感知器の作動確認

🔥【火気使用エリア】

  • 厨房・給湯室で換気扇が止まっていないか

  • ガス器具・IH周辺の水滴・油汚れを除去

  • 暖房器具を雨具乾燥用に使っていないかチェック

🚪【避難・共用スペース】

  • 傘立て・レインコートが避難経路を塞いでいないか

  • 屋外排水口が詰まり、非常口前に水溜まりができていないか

  • 濡れた床での転倒事故による避難遅延リスク確認

👥【従業員への声かけ】

  • 「雨の日も火災訓練意識を持とう」と朝礼で一言

  • 室内喫煙・仮置き電気ヒーターの使用ルール再確認

■ “静かな雨音”が、火災警報をかき消す

雨が屋根を叩く音は、私たちの耳を鈍らせます。
もし非常ベルが鳴っても、気づくのが遅れるかもしれません。

だからこそ――
防火管理者のあなたが“先に動く”必要があるのです。

「今日は雨だから大丈夫」
そう思った瞬間、管理の責任はあなたから離れていく。

■ 最後に:雨の日ほど、「防火意識を晴らす」一日に

防火とは、「天候任せにしない」こと。
火災は天気を選びません。
むしろ、油断という湿気が一番の火種になるのです。

☑ 雨の日のチェックリストを朝礼で共有する
☑ 湿気対策を月1回点検ルーティンに加える
☑ 傘や荷物による避難障害を常に意識する

“雨の日の安全確認”――それが、真の防火管理者の使命です。

*レスキュー役立つ豆知識
雨の日=避難が遅れやすい
外出控えや視界不良で避難判断が遅れ、被害が拡大する傾向がある!

一覧へ戻る